日程:2016年8月4-5日
場所:名古屋大学理学部E館101
名大東山キャンパスマップ D2-5 地下鉄名城線「名古屋大学駅」2番出口方面 名大へのアクセス
開催趣旨:
固体天体表面は度重なる衝突やそれにともない誘起される振動の結果,クレーター形成,レゴリス層と呼ばれる砂礫堆積層の形成,傾斜地形の緩和などさまざまな影響を受ける.このような諸現象の理解を深めることは固体天体の進化史ひいては太陽系の歴史を知る上で重要となる.固体天体表面状態の理解を詳細化するためには,レゴリスのような固体粒子群(粉体)の物理的挙動の適切なモデリングが必要となる.粉体物理では通常モデル構成要素を可能な限りシンプルにして普遍的法則を導くよう努力をするが,自然現象に関してはそのようなアプローチが難しい場合もある.そこで,本研究会では(地球を含む)固体天体表面の様々な現象を具体例として掘り下げていくことにより,そこから逆に粉体物理の基礎理解の深化を狙うアプローチの可能性について探る.この目的のためには粉体物理と惑星科学の両分野の融合が必要となる.その足がかりとして本研究会では上記の学際的研究推進のための小規模で集中した議論の場を設けることを目標とする.ただし,とりあげるトピックは狭義での粉体物理や天体地形に限らず関連する諸現象を広く対象とする.
招待講演:
阪口秀(海洋研究開発機構)
西森拓(広島大学)
平林正稔 (Purdue University)
宮本英昭(東京大学)
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プログラム(案):
2016/8/4
13:30-13:40 あいさつ(趣旨説明)
13:40-14:10 平田直之(神戸大)「火星衛星ダイモスの地表特性」
14:10-14:40 休憩
14:40-15:10 宮本英昭(東大)「フォボス・ダイモスのレゴリスと想定される更新過程」
15:10-15:40 休憩
15:40-16:00 木内真人(神戸大)「低速度クレーター形成実験をもとにしたイトカワdimple地形の成因の検証」
16:00-16:20 休憩
16:20-16:50 平林正稔(パデュー大)「解析の観点からの彗星,小惑星の近年の発見と今後の動向について」
16:50-17:20 休憩
17:20-17:50 小川和律(神戸大)「真空中粉粒体の熱伝導率モデル」
19:00- 懇親会
2016/8/5
9:00- 9:20 松榮一真(神戸大)「衝突励起振動やイジェクタ堆積の実験的観測から推定できる表面地形変化領域について(仮)」
9:20- 9:40 休憩
9:40-10:00 大村知美(神戸大)「Experimental study on porosity structure of granular body」
10:00-10:20 休憩
10:20-10:50 西森拓(広大)「方向の一定しない外力の繰り返し印加による粉体系のパターン形成」
10:50-11:10 休憩
11:10-11:30 稲田和久 (島根大)「ジャミング転移点近傍での非球形粉体のレオロジー」
11:30-11:50 休憩
11:50-12:20 阪口秀(海洋機構)「断層破壊の前兆シグナルを見出すことを目的とした大規模砂箱実験と数値シミュレーション」
昼休憩(12:20-13:50)
13:50-14:10 田邊章洋(広大)「粉体層への1粒子衝突によるスプラッシュと粉体層内部ダイナミクスの数値的研究」
14:10-14:30 休憩
14:30-15:00 新屋啓文(名大)「単一スプラッシュ実験に基づく粒子の空気輸送シミュレーション」
15:00-15:30 休憩
15:30-15:40 まとめ
※共著発表の場合も発表者名のみの記載となっています.
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理学部E館内(Craigs Cafeを横にまっすぐ奥に入ったところが会場です)
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連絡先:桂木洋光,諸田智克,大槻道夫,山田智哉
支援:科研費 基盤(B)「衝突・振動による粉体の過渡レオロジーとその天体地形への応用」15H03707
科研費 特別研究員奨励費「小天体表面更新過程理解のための実験的研究」15J10372